“世界初”の全自動衣類折りたたみ機「ランドロイド」が生まれるまで(10)

「洗濯物を畳む手間から開放されたい……!」その願いを叶えてくれる世界初の全自動衣類折りたたみ機「ランドロイド」。
構想から10年以上。“ゼロ”から手探りで進めてきた開発の全容をお届けします。
最終回の今回は、ついに迎える初の一般公開に向けてのエピソードです。

CEATECの本番が迫る中、衣類がたためない事態に

CEATECの本番は秋です。同年春から、急ピッチでランドロイド試作機の改良を進めていきました。
CEATECでは、お客さんに向けて一日に何回もプレゼンテーションを行います。当時の試作機は、まだ一連の動作に時間がかかっていました。そこで時間を短縮するため、衣類の投入口と出口を同じ場所にすることにしました。しかしここにきて、この改良作業がうまくいきません。再び、開発が暗礁に乗り上げました。

ロボットアームがすぐにたたみ始める改良を目指していたのですが、これが全然うまくいかない。カメラの視野が狭くなり、衣類を認識できずに折りたためなくなってしまいました。 本番1週間前になっても、試作機は衣類をたたむことに成功しません。これにはさすがに、開発メンバーもかなり焦りはじめました。
こうなると、時間短縮どころの問題ではありません。かなり行き詰まった現場の状況に絶えかねた中核の技術者が、「課題山積みやわーーー!」と叫んで出て行ってしまうほどでした。
それでも、時間は止まってはくれません。メンバーはひたすら、問題の検証と改良を本番直前、ギリギリまで続けました。

CEATECの本番前日には、宣伝のためにマスコミを呼んでインタビューなどが行われる「プレスデー」が設けられています。多くの企業がここで取材を受ける中、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズはすべての取材をお断りし、出展ブースも黒幕で覆ったままの状態にしていました。 ランドロイドは展示会当日に披露すると決めていました。リハーサルも音量を小さくして行い、情報が漏れないように徹底しました。 そして、いよいよ一般公開日を迎えることになります。Xプロジェクトが発足してから10年。度重なる苦難を乗り越えてきたメンバーたちの努力が、ようやく日の目を見る瞬間が刻一刻と迫っていました。

ついに迎えたプレゼンテーション。周囲の反応は……

「これが、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズが開発した世界初の全自動衣類折りたたみ機、『ランドロイド』です」――ついに迎えたCEATECの初日。はじめてメディアや一般の方々に向けたプレゼンを行う姿を目で追いながら、開発の緊張はどんどん高まっていきました。今までにない新しい商品を作っていましたが周りに発表せず、水面下で行っていた開発だったので、どんな反応をされるのか全く検討がつきませんでした。

最後の最後まで頭を悩ませたロボットアームの改良も、どうにか当日に間に合わせることができました。ブースで流れるプレゼンテーション映像の中で、ロボットアームが次々と衣類をたたんでいきます。会場を訪れた人たちの多くは、その映像を見て驚きの表情を浮かべていました。 会期中、初日の夜にTV放送された密着取材による反響もあり、会場にはランドロイド目当ての見物客が日に日に増えました。はじめての一般公開は、大盛況でした。

結果としては予想以上の反響となり、約500人を収容するブースに1,000人ほどが集まるほどの盛況となり、ブースは4日間で13,800人の来訪者を記録しました。海外メディアからの反応も大きく、世界各国でプレゼンテーションの模様が放送されました。
こうした反応を見て、ランドロイドの開発に長い歳月を捧げてきたXプロジェクトのメンバーも、ようやくホッと胸をなでおろすことができました。

CEATECによってランドロイドの認知が高まり、これまで公表できなかった業務内容が明らかになったことで、当社には家電メーカー出身の開発経験者から応募が急増しました。これまで日本を代表する家電を作ってきた歴戦の技術者たちが、ひとつのチームに集結することになったのです。

ランドロイドは一般発売に向けた準備を行っています。ここまでこぎつけることができたのは、私たちを支援してくださったみなさまをはじめ、多くの方に支えていただいた結果です。
何より、12年間という長きにわたり、片時もランドロイドのことを忘れず、どんな困難に直面してもあきらめずに、全力で立ち向かってきたXプロジェクトのメンバーがいなければ、こうして「世界初の全自動衣類折りたたみ機」が世の中に送り出すことはできなかったでしょう。

しかし、本当のスタートはこれからです。多くのご家庭で「ランドロイド」を利用いただけるよう、私たちはこれからも、新たな技術の追求を続けていきます。